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【スケジュール遅延の前兆】工程表から“赤信号”を見抜くチェックポイントとは?

工場・倉庫の建設プロジェクトでは、「当初のスケジュール通りに進まない」ことが珍しくありません。むしろ、スケジュール遅延は現場あるあるとも言える問題です。
では、スケジュールが大きく崩れる前に“兆候”をどう見抜けば良いのでしょうか?この記事では、**工程表から読み解く“赤信号の前兆”**と、その発見ポイントについて解説します。
■ なぜスケジュールは遅れるのか?よくある要因
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地中障害・地盤改良など、初期工程での想定外
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設計変更による再承認の遅れ
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資材納期の遅延(特に電材・空調機器など)
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職人不足・施工業者の人員確保難
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天候・災害・感染症などの外的要因
スケジュール遅延の原因はひとつではなく、工程間の連動が崩れることで連鎖的に発生するのが特徴です。
■ 工程表から読み解く“赤信号”のサイン
下記のような変化が見られた場合、スケジュール遅延の兆候として早期対応が求められます。
| 工程表での兆候 | 想定される問題 |
|---|---|
| 「未確定項目」が複数週にわたり残っている | 設計・発注の遅延、意思決定の遅れ |
| 「納品日」が“未定”で記載されている | 資材納期が確定しておらず、施工計画が不安定 |
| 「複数工程の開始日」が曖昧になっている | 前工程の遅れにより、連鎖的な工程ズレが発生 |
| 工程に「バッファ(余裕)」がない | 何かあった場合、即日スケジュール全体が崩れる可能性 |
| 工程変更が頻繁で、履歴が管理されていない | 管理体制が不十分で進捗把握が困難 |
■ 遅延を防ぐために、初期からできること
1. “未確定項目”を放置しない文化を作る
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設計・仕様決定の期限を明示し、関係者に“意思決定の責任”を持たせる
2. サプライヤー納期の確認を前倒しで実施
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設備・資材の納期確認を設計段階から着手(特に換気・電気設備)
3. 工程ごとのバッファ(予備日)を確保
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工程間に余裕がないと、些細な遅れが全体に波及
4. 週次レベルで工程表をアップデートする習慣
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月次の進捗確認では遅すぎる。週1回の共有と記録更新が肝
■ 工程表を“読み解く力”が現場を守る
スケジュール遅延は、必ずしも“突発的”に起こるわけではありません。多くの場合、工程表の中にその兆候は現れています。
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「未確定項目」が放置されていないか
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「納品未定の項目」が工程に影を落としていないか
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「施工開始日」が連鎖的に遅れ始めていないか
こうした“見えにくい赤信号”を早期に発見し、関係者間で共有・是正することで、プロジェクト全体の品質・コスト・納期を守ることが可能です。
「遅れてからではなく、“遅れそうな段階”で対処する」ことが、建設プロジェクト管理において最も重要なマネジメント力と言えるでしょう。





