AGECブログ
倉庫・工場の土地選びでよくある失敗3選
「立地が良さそうだったので土地を買ったが、結局建てられなかった」
「坪単価が安いから決めたが、インフラが整っておらず追加費用が膨らんだ」
こうした“土地選びの失敗”は、倉庫や工場を建てる際に最も多い初期トラブルの一つです。
今回は、建設マネジメントの立場から見た**「よくある3つの失敗パターンとその回避策」**を解説します。
✅ 失敗①:市街化調整区域で「建てられない土地」を買ってしまう
⚠️ よくある誤解:
「更地で広くて安いし、トラックも入りやすそう。いい土地だ!」
→ 実は市街化調整区域で、原則として建築行為ができない土地だった…というケース。
市街化調整区域では、住宅・倉庫・工場を自由に建てることは原則不可です。
たとえ平坦でアクセスが良くても、「開発許可」「43条許可」など厳しい条件をクリアしなければ着工できません。
✅ 対策:
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土地を検討する前に、用途地域と都市計画区域の確認を。
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「この土地に建てられるか?」を必ず設計士やCMに確認してから購入を。
✅ 失敗②:接道義務を満たしておらず、建築許可が下りない
⚠️ よくある誤解:
「細い道だけど車は入れるし問題ないでしょ?」
→ 建築基準法上の「道路」ではなかったため、建築確認が通らないケース。
倉庫・工場の新築では、敷地が「建築基準法上の道路」に2m以上接している必要があります。
いわゆる「2項道路」や「位置指定道路」に該当しない私道だけの場合、接道義務を満たせずアウトです。
✅ 対策:
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公図・現地写真・道路台帳をもとに、道路種別と接道長さをチェック
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不安な場合は事前に市役所の建築指導課に相談を
✅ 失敗③:インフラ(上下水・電気・通信)が未整備で追加費用が発生
⚠️ よくある誤解:
「郊外の広い土地だし、工場ならインフラなんて後で引けばいいでしょ」
→ 実際には上下水道・高圧電力・通信回線が敷地まで来ておらず、引込工事費が数百万円単位に…
倉庫・工場では、以下のインフラが必要です:
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上水道:事務所・トイレ・製造設備用
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下水道 or 浄化槽:環境規制に準拠する必要あり
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高圧電力(キュービクル):大型設備を使うなら必須
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通信(光回線など):防犯・遠隔監視用などで需要増
✅ 対策:
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敷地内に引込可能なインフラがあるかを購入前に確認
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地元の電力会社や水道局と早期協議を
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引込費用も含めた総工事予算を事前に把握
✅ 土地の“条件確認”は購入前に行うのが鉄則
よくある失敗 | 防ぐための行動 |
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調整区域で建てられない | 都市計画図+行政協議で確認 |
接道不備で建築不可 | 建築基準法上の道路に2m接道があるか確認 |
インフラが未整備 | 引込可否と費用を購入前に調査 |
土地は安く見えても、見えない“建てられる条件”が整っていなければ、コストもリスクも増大します。