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基本設計・実施設計に強い設計事務所とは?

  • 2025.5.21

「設計事務所に依頼したけど、後から変更が多くて困った…」
「現場に強い設計者を探しているけど、どう選べばいいの?」

工場や倉庫の建設では、初期設計段階の精度が建設全体のコスト・品質・納期に大きく影響します。
だからこそ、“基本設計と実施設計の段階から信頼できる設計事務所”を選ぶことが、プロジェクト成功の第一歩です。

この記事では、基本設計・実施設計に強い設計事務所の特徴と、発注者の立場からの選定ポイントを解説します。


✅ まず押さえたい「基本設計」と「実施設計」の違い

フェーズ 目的 主な成果物
基本設計 建物の用途・レイアウト・概算予算の決定 配置図、基本プラン、概算見積、建築計画案
実施設計 実際に建てるための詳細設計 各種図面(構造・設備・内装・法規対応含む)、設計図書

📌 この2つのフェーズを正確かつ実務的に設計できる事務所かどうかが、施工後の手戻り・追加費用を防ぐカギです。


✅ 基本設計・実施設計に強い設計事務所の特徴

1. 産業系施設の実績が豊富

  • 工場・倉庫などの業種ごとの運用に精通している

  • 動線・設備機器・床耐荷重・換気など、業界特有の要件に強い

  • ZEB・冷蔵・危険物・HACCP対応など特殊条件も対応可能

2. 施工フェーズを見据えた“施工しやすい設計”

  • 無理のない納まり、実現可能な仕様提案

  • 施工者目線での図面構成 → 後工程のミスが少ない

  • 施工図に落とし込みやすい実施設計ができる

3. 法規・許認可に明るい

  • 市街化調整区域、農地転用、開発許可などへの対応経験

  • 防火区画、容積率、日影規制など都市計画との整合性確保が早い

4. 発注者との意思疎通がスムーズ

  • 工場や倉庫に馴染みがない企業とも図・イメージで共有できる

  • コストバランスやスケジュールを考慮した提案が可能


✅ 設計事務所選定時のチェックポイント

チェック項目 質問例
類似実績の有無 「製造業や物流施設の設計実績はありますか?」
法規制対応力 「この地域の開発許可・用途地域制限に強いですか?」
設計と工事の連携力 「施工会社と設計内容をどのようにすり合わせていますか?」
コスト管理 「設計変更によるコスト変動はどのように抑えていますか?」
設計体制・担当者 「実施設計も社内で対応しますか?誰が窓口ですか?」

📌 担当者のコミュニケーション力と対応スピードも重視すべきポイントです。


✅ 依頼前に確認しておきたい3つの視点

  1. 図面だけでなく“運用後”をイメージしているか?
     → メンテナンス・拡張・スタッフ導線なども含めた提案があるか

  2. 概算コストやVE(バリューエンジニアリング)提案があるか?
     → 予算調整を視野に、複数案で比較提案できる設計者は信頼できる

  3. 申請業務・行政協議にも同席するか?
     → 許認可が多い工場・倉庫では、行政対応の力量が設計力と直結


✅ 「図面が描ける」だけでは足りない時代

良い設計事務所とは? 求められる資質
工場・倉庫の構造を理解 床荷重、天井高、設備動線の最適化ができる
実施設計が正確 手戻りを防ぎ、施工図にスムーズに移行できる
許認可にも対応 農地転用、市街化調整区域など法的障壁に強い
コスト意識がある 設計変更でのコスト増リスクを最小限に抑える

AGECでは、用途や地域に応じた基本設計・実施設計に強いパートナー設計事務所をご紹介・管理し、発注者側に立った建設マネジメント(CM)を提供しています。

「自社に合う設計パートナーを選びたい」「設計段階からCMの視点を入れたい」といったご相談は、こちらからお気軽にどうぞ

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