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大型再開発から見るこれからの建設業
昨今、建設価格上昇によることで、設備投資が滞る事案が見受けられます。
原因としては、原材料の高騰、建設業の働き方改革猶予期間の満了による工期の長期化、人材不足による人件費の高騰、等考えられます。
これらは供給不足による価格上昇になりますが、需要の面でも原因は考えられます。
需要過多になる原因の一つとして、大都市圏の再開発が進んでいるということです。
再開発規模も数年前に比べてかなり施工床面積や仕様が上がっており、大きな建物と豪華な仕様の建物が多く建設されています。
大型の施設建築に関して、大手ゼネコンにしか技術や人材確保ができないということで、仕事が集中してしまいます。
ですので、大手ゼネコンへ依頼するには、どうしても大型案件が落ち着くまで請け負ってもらえない状況が続きます。
例えば、東京では関東大震災から100年に当たる2023年には多くの地域で大型の建物が竣工されましたが、2024年以降も日本橋、日比谷公園、湾岸エリア、品川駅、六本木、渋谷、中野、等まだまだ計画が目白押しです。
全国でいえば、ほとんどの都市圏も再開発が進んでおり、建設ラッシュが続くようです。
そんな都市での大型案件ですが、これが落ち着くのはおそらく4,5年後になるかと思われます。
そうなると、建設会社も一旦受注に落ち着きができ、建設価格もさがるのではと予測されている方々も多いと思います。
しかし、現状の人材不足はかなり深刻で、今後建設業に来る若者や転職をする人々が増加するとは考えにくいです。その理由として、職場環境が過酷、給与が上がらない、体力的にもたない、他業種に良い環境で働ける場所があるなど、多くのマイナスポイントがあります。
ものを作る楽しみ、達成感を味わえるなどのプラスポイントは現代の人にとって、それらを上回ることはないでしょう。
そういった意味で、建設価格は需要と供給が合致しないまま、何年先までも上昇し続けると考えざるを得ないと感じます。
建設価格を下げるには、建設業の職場環境改善と給与上昇で人気職種になることが先決なのかもしれません。