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実施設計前にやるべき準備5選

  • 2025.7.2

工場や倉庫などの施設建設において、「実施設計」に入る前の準備は、計画全体の品質・工期・コストに大きな影響を与えます。「まず設計から」と急ぎたくなる気持ちは分かりますが、事前の整理を怠ると、後戻りや追加費用、現場トラブルの原因になることも。本記事では、建設マネジメント(CM)会社の立場から、実施設計に入る前に必ず行っておきたい5つの準備ポイントを解説します。


1. 建設の目的と優先事項を明確にする

実施設計は「図面通りに施工できる」ことが求められるフェーズです。
そのため、発注者として「この施設で何をしたいか」「どこにコストをかけ、どこを抑えるか」といった優先事項の整理が重要です。

  • 生産性を最大化したいのか

  • 初期費用よりもランニングコストを重視するのか

  • 将来の拡張性を考慮するか

こうした考えがブレていると、設計者に正確な指示ができず、手戻りが発生しやすくなります。


2. 設備・機械の仕様を仮決定しておく

実施設計では、空調、給排水、電源、搬送ラインなどの設備配置が細かく設計されます。
そのため、導入予定の主要機器のサイズや電力量、レイアウト案など、可能な範囲で仕様を仮決定しておくことが求められます。

例:

  • 天井クレーンの有無

  • クリーンルームが必要か

  • 特定の製造機器や搬送ラインの寸法・配置

これらの情報がないまま設計に入ると、後の設備設計で重大な干渉が発生する恐れがあります。


3. 土地の条件と法的制約を事前確認

土地に関する制約(用途地域、建ぺい率、容積率、高さ制限、日影規制など)を確認しないまま設計を進めると、建築確認が通らず設計変更が必要になることも。

  • 地盤調査(地耐力、液状化リスク)

  • 用途地域や都市計画の確認

  • 隣地や接道状況の把握

建設マネジメント会社に依頼すれば、初期段階で土地リスクを精査し、設計方針に反映することが可能です。


4. スケジュールとマイルストーンの設定

設計期間が漠然としていると、設計者・設備業者との連携も滞り、結果的に工期に遅れが出るリスクが高まります。

  • 実施設計着手日と完了目標日

  • 建築確認申請スケジュール

  • 入札・施工開始のタイミング

これらを逆算して、スケジュールを関係者で共有しておくことが重要です。


5. 設計チームとの情報共有体制を整える

設計者・施主・建設マネジメント会社など関係者が多いプロジェクトほど、情報の共有・整理体制が重要です。

  • 定例会議の頻度と議題管理

  • 設計変更のルール明確化

  • 資料の保管・共有方法(クラウド等)

小さな行き違いが、後々大きな施工トラブルにつながることも。CM方式では、このような情報整理を第三者視点でマネジメントします。


設計前の準備が、後工程を左右する

実施設計は「描いた通りに建てられる」ことが前提です。
そのためには、設計前の準備段階でいかに情報を整理し、意図を明確に伝えられるかがポイントになります。
建設マネジメント会社を活用することで、施主の意図を設計者・施工者に正確に伝え、手戻りやコストロスを防ぐ設計プロセスの構築が可能です。


▶倉庫・工場の建設における実施設計支援・プロジェクト管理のご相談は AGECへお気軽にお問い合わせください。

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