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建築の歴史に職位あり
かつて日本では、建築をするときには建設会社というよりも棟梁にお願いし、建物を建ててもらうことが当たり前でした。
そんな棟梁とはどういった存在だったんでしょう。
最近では、棟梁というと自社仏閣など重要文化財や歴史的な建築物を建てる人というイメージがあります。
特に、宮大工と言われる神職に近い存在の人を思い浮か日ます。
有名な方で言うと、法隆寺専属宮大工であった西岡常一氏だと思います。
そのお弟子さんである小川三夫氏もメディアに露出していることもあり、知っておられる方もおられるのではないでしょうか。
西岡常一氏の紹介に、「最後の宮大工棟梁」と書かれているのは、小川氏に失礼だと感じますが、大工の世界ではレジェンドと称される方です。
法隆寺は世界最古の木造建築で世界に誇れる建物です。
その法隆寺には七不思議があり、
- 1.法隆寺には蜘蛛(クモ)が巣をかけない
- 2.南大門の前に置かれた鯛石
- 3.五重塔の上に鎌がかけられている
- 4.不思議な伏蔵がある
- 5.法隆寺の蛙(カエル)には片目が無い
- 6.夢殿の礼盤の下が汗をかいている
- 7.雨だれが穴を開けるべき地面の石に穴が開かない
と言うもの。
また、法隆寺の若草伽藍には特に建築に関わる七不思議があり、
- 1.中門中央に設置された柱
- 2.金堂と五重塔に造られた裳階
- 3.中門、講堂中軸線の食い違い
- 4.五重塔の四天柱礎石の火葬骨
- 5.伏蔵
- 6.五重塔心礎舎利器に舎利が無い
- 7.若草伽藍の心礎
と言うのがあるらしいです。
こういった神秘的な建物を作る大工さんなので、神職に近いと言っても過言ではありません。
現代の大工さんはどのような職位でしょう。
西岡常一氏、小川三夫氏、といった名前も聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。
現代の大工仕事は金槌を持ってトントンしている、建設会社の中で何か仕事をしている人、暑い中で安い給料で働いている人、などあまり憧れるような仕事ではなくなってきています。
大工という仕事は、人の命を守り、意匠を考え、生活のことを理解し、100年以上耐久性のある建物を作る、責任感を持ち合わせたとても素晴らしい業種です
そんな大工仕事を憧れではなくなった今、日本の建築は、変えていかないといけない時期になっているのかもしれません。
日本の建築は先人たちの素晴らしい技術で、今もまだ日本建築という文化を守られ、外国の人々にも絶賛されています。
技術を守ることで、日本は豊かになると私は思っています。
職位を変えることで、日本は唯一無二の存在になるのではないでしょうか。