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建築の骨格は日本の文化

  • 2024.6.22

 

建築には構造という概念があります。

建築に携わる人間にとっては、構造というとピンとくるのですが、一般の人にとっては当たり前のように話されてもと思った経験があるのではないでしょうか。

 

建築には大きく分けて、設計業務、施工業務があります。

設計業務とは、どんな建物を建てたいかを法律や条例等の決め事に基づいて、要望を2次元の図面に表現していくことを言います。

最近では、BIMというものを利用し、3次元で表現したものを視覚的に確認しながら建材の数量も同時に算出してくれるものが出てきています。

その設計業務の中でも、意匠、構造、電気、機械、等分類がされ各専門家が発注者の要望に応えられるよう図面を書いていきます。

 

資格で言えば、建築士が有名ですがその中でも、設備設計1級建築士、構造設計1級建築士、と1級建築士を取得した上での更なる専門的な資格があります。

構造設計1級建築士というのは、災害や荷重に耐えうる建物を計画から理論的に証明してエンジニアになります。

簡単にいうと、建物の骨格をどんな仕組みで作っていこうという考えです。

構造設計には建築基準法で定められた計算方法があり、それに沿って計算をして許容範囲内であれば建物を建てて良いということになります。

ここでの計算方法や考え方が理論的に計算しなければならないので、大学での建築学科は工学部や理工学部、いわゆる理系に所属しているのはこういった理由からなのでしょう。

 

その構造には、いくつかの建材を利用しての計画方法があります。

大きく分けて、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、木造、等があります。

この構造は建物価格に占める割合が3-4割と非常に大きいので、経済的に建物を建てようとすると、部材の値段が上がってしまい、建設プロジェクトがうまくいかないことになります。

 

それでは、一般的にどのような構造を選べばいいのでしょう。

高層中層建物では重量を軽くしなければ、頭でっかちで不安定になるので、軽くて揺れるものか、頭でっかちでも耐えうる構造にすることになります。

逆に平屋建てであれば、屋根さえあれば良いということで、とにかく軽い構造を選びます。

また、住宅やホテルなど音や揺れを気にする建物であれば、コンクリートなどの重たい建材を使用し音や揺れに耐えうるものを選びます。

 

最近では、環境問題や美観を考えた木造が見直されています。

今までは大きな建物では、木の耐力や消防の観点から、木造は向いていないという考えでしたが、小さな木を現代の技術で大断面に接着し、金物を利用し自然災害に耐えうるものが出てきました。また、火災時も大きな断面であれば外側が燃えるだけで、内側が燃えるまで時間がかかるので、高層ビルでも利用しても良いという建築基準法が改正されました。

 

昔は経験値で構造を考えてた棟梁が、今では理論的な数値に基づいて部材を選ぶ時代になりましたが、技術革新、法的な見直しで日本建築が安全で快適な建物を木造でできる時代が戻ってきた感じがします。

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