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建設と補助金スケジュールの連携術|予算をムダにしないための工場建設の進め方

  • 2025.7.7

補助金を活用して工場や倉庫の新設・改修を計画する際、**最も注意すべきポイントの一つが「スケジュールの連携」**です。
「交付決定前に着工してしまい補助金が無効に…」
「審査中に設計変更が発生し、書類を再提出」
といった事例は少なくありません。

本記事では、建設マネジメント(CM)会社の立場から、補助金と工事スケジュールを連携させるための具体的なポイントを解説します。


なぜスケジュール連携が重要なのか?

補助金制度の多くは、下記のような「流れ」と「条件」があります:

  • 事前申請必須(交付決定前に契約・着工不可)

  • 補助対象となる費用は、申請書に基づいて決定される

  • 審査・交付決定までに数ヶ月かかることもある

このため、「建設スケジュールを優先して先に着工」すると補助金の対象から外れるというリスクがあります。


補助金と建設スケジュールの基本的な構成

フェーズ 補助金対応 建設プロセス
①企画段階 補助金制度の選定/公募スケジュールの把握 基本計画立案、要件整理
②設計初期 概算見積と申請書作成 基本設計、設備構想
③申請〜審査 申請書提出→審査→交付決定待ち 詳細設計・施工会社選定(※契約はまだ)
④交付決定後 契約・着工 実施設計完了、施工開始
⑤完了報告 実績報告・証憑提出 完成・引渡し

このように、補助金スケジュールと建設プロセスを並行しながらも、重要な契約・着工のタイミングは厳守する必要があります。


CM会社ができる支援とは?

建設マネジメント会社(CM方式)では、発注者の立場に立って、補助金対応に沿ったプロジェクト全体管理が可能です:

  • 補助金制度ごとのスケジュール整理

  • 設計会社・施工会社へのタイムライン共有

  • 申請用の見積書や構想図面の調整

  • 工事開始可否の判断支援(交付前の誤着工防止)

  • 完了報告や事後提出書類の整備支援

特に「設計・施工分離方式」で進める場合、発注者だけでは複数業者との調整が難しいため、CM会社の存在が重要になります。


実際によくある失敗例

1. 着工が早すぎて補助金が無効に

補助金の交付決定前に解体や地盤調査を進めてしまい、対象外判定を受けるケース

2. 工事スケジュールが補助金公募締切に間に合わない

補助金の公募スケジュールに設計・見積作業が間に合わず、次年度まで待つ羽目に

3. 書類不備で審査が長期化

補助対象経費の範囲を理解せず、見積項目が不適切→差し戻しで全体が遅延


スムーズな補助金連携のための3つのポイント

  1. 年間スケジュールの早期把握
     補助金は「いつ公募されるか」「交付まで何ヶ月かかるか」を事前に押さえる。

  2. 設計フェーズを前倒しで進める
     申請には概算設計・見積が必須。早期に設計者と打合せを始めるのがコツ。

  3. 着工タイミングを明確に管理
     交付決定日までは発注書・契約書を出さない。契約日付にも注意!


補助金と建設をうまく連携させるには

補助金を活用する工場建設では、制度と現場スケジュールを「二軸」で管理することが成功のカギです。
CM方式なら、補助金のルールを熟知した専門家が調整を担当し、発注者が判断に迷わず進められます。

「補助金を活用したいが手続きが不安」「スケジュール調整が難しい」という方は、建設マネジメントの専門家に一度ご相談ください

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