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建設と補助金スケジュールの連携術|予算をムダにしないための工場建設の進め方
補助金を活用して工場や倉庫の新設・改修を計画する際、**最も注意すべきポイントの一つが「スケジュールの連携」**です。
「交付決定前に着工してしまい補助金が無効に…」
「審査中に設計変更が発生し、書類を再提出」
といった事例は少なくありません。
本記事では、建設マネジメント(CM)会社の立場から、補助金と工事スケジュールを連携させるための具体的なポイントを解説します。
なぜスケジュール連携が重要なのか?
補助金制度の多くは、下記のような「流れ」と「条件」があります:
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事前申請必須(交付決定前に契約・着工不可)
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補助対象となる費用は、申請書に基づいて決定される
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審査・交付決定までに数ヶ月かかることもある
このため、「建設スケジュールを優先して先に着工」すると補助金の対象から外れるというリスクがあります。
補助金と建設スケジュールの基本的な構成
フェーズ | 補助金対応 | 建設プロセス |
---|---|---|
①企画段階 | 補助金制度の選定/公募スケジュールの把握 | 基本計画立案、要件整理 |
②設計初期 | 概算見積と申請書作成 | 基本設計、設備構想 |
③申請〜審査 | 申請書提出→審査→交付決定待ち | 詳細設計・施工会社選定(※契約はまだ) |
④交付決定後 | 契約・着工 | 実施設計完了、施工開始 |
⑤完了報告 | 実績報告・証憑提出 | 完成・引渡し |
このように、補助金スケジュールと建設プロセスを並行しながらも、重要な契約・着工のタイミングは厳守する必要があります。
CM会社ができる支援とは?
建設マネジメント会社(CM方式)では、発注者の立場に立って、補助金対応に沿ったプロジェクト全体管理が可能です:
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補助金制度ごとのスケジュール整理
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設計会社・施工会社へのタイムライン共有
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申請用の見積書や構想図面の調整
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工事開始可否の判断支援(交付前の誤着工防止)
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完了報告や事後提出書類の整備支援
特に「設計・施工分離方式」で進める場合、発注者だけでは複数業者との調整が難しいため、CM会社の存在が重要になります。
実際によくある失敗例
1. 着工が早すぎて補助金が無効に
補助金の交付決定前に解体や地盤調査を進めてしまい、対象外判定を受けるケース。
2. 工事スケジュールが補助金公募締切に間に合わない
補助金の公募スケジュールに設計・見積作業が間に合わず、次年度まで待つ羽目に。
3. 書類不備で審査が長期化
補助対象経費の範囲を理解せず、見積項目が不適切→差し戻しで全体が遅延。
スムーズな補助金連携のための3つのポイント
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年間スケジュールの早期把握
補助金は「いつ公募されるか」「交付まで何ヶ月かかるか」を事前に押さえる。 -
設計フェーズを前倒しで進める
申請には概算設計・見積が必須。早期に設計者と打合せを始めるのがコツ。 -
着工タイミングを明確に管理
交付決定日までは発注書・契約書を出さない。契約日付にも注意!
補助金と建設をうまく連携させるには
補助金を活用する工場建設では、制度と現場スケジュールを「二軸」で管理することが成功のカギです。
CM方式なら、補助金のルールを熟知した専門家が調整を担当し、発注者が判断に迷わず進められます。
「補助金を活用したいが手続きが不安」「スケジュール調整が難しい」という方は、建設マネジメントの専門家に一度ご相談ください。