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ZEBは電気代が安くなる?|建設マネジメントの視点で読み解くZEB導入のメリット

  • 2025.7.4

 

近年、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが各地で加速する中、「ZEB(ゼブ:Net Zero Energy Building)」への関心が高まっています。ZEBとは、建物の年間一次エネルギー消費量をゼロに近づけることを目指す建築方式であり、省エネと創エネの両立を前提としています。

では実際に、ZEBを導入することで**電気代は本当に安くなるのか?**本記事では、建設マネジメント(CM)会社の視点から、ZEBの仕組みとコストメリット、導入の際の注意点を解説します。


ZEBの基本構造と電気代削減の仕組み

ZEBの電気代が抑えられる理由は、以下の3要素にあります:

1. 高断熱・高気密による冷暖房負荷の削減

壁や窓の断熱性能を向上させることで、冷暖房の効率が大幅に向上し、エネルギー消費が抑えられます。

2. 高効率な設備機器の導入

LED照明や高効率空調機器、省エネ給湯設備を採用することで、日常的な消費電力を大幅に削減します。

3. 太陽光発電等による創エネ

建物の屋根や敷地内に太陽光パネルを設置し、建物内で使用するエネルギーを自給自足。余剰分は売電も可能です。

この3つの相乗効果により、ZEBでは従来の建築物に比べ電気代が30〜70%削減されるケースも珍しくありません。


建設マネジメント(CM)の視点から見たZEB導入のポイント

ZEB導入はコストメリットだけでなく、企業のブランディングやESG対応にも有効です。CM会社の立場からは、以下の点が特に重要となります:

◉ 設計段階からのエネルギーシミュレーション

早期段階で建物のエネルギー需要を数値化し、最適な断熱性能や設備構成を決定します。**ライフサイクルコスト(LCC)**を見据えた設計が鍵です。

◉ 補助金制度の活用

経済産業省や国土交通省、自治体によるZEB導入補助金が活用可能。CM会社では、これらの申請支援や仕様条件の整理を担うことで、初期コスト負担を抑えるサポートを行います。

◉ ベンダーや設計者との中立的な連携

ZEBは専門的な知識を要するため、建設会社任せにせず、中立的なCM(建設マネジメント)を導入することで、過剰投資や設計ミスを防止できます。


ZEBはどんな施設に向いている?

ZEBは主に以下のような施設で導入が進んでいます:

  • オフィスビル

  • 教育施設

  • 公共施設(庁舎・市民センターなど)

  • 工場・物流施設(ZEB Readyレベルの導入が多い)

近年では、工場・倉庫へのZEB対応も拡大傾向にあり、特に「ZEB Ready」や「Nearly ZEB」といった段階的な認証を取得する事例が増えています。


実際にどれくらい電気代が安くなる?

例えば、延床面積1,000㎡程度の中規模施設でZEBを導入した場合、年間50万〜200万円程度の光熱費削減が見込まれるケースがあります。さらに、太陽光で発電した分を自家消費できるため、電力単価の上昇に強い施設運営が可能です。


ZEBは電気代削減だけではない“未来志向の建築”

ZEBは単に電気代を削減するだけでなく、「環境対応」「エネルギー自立」「企業価値向上」といった長期的メリットを備えた建築アプローチです。

建設マネジメント会社としては、ZEBの導入可否判断やシミュレーション、コスト管理、補助金対応、ベンダー調整までを中立的かつ戦略的に支援することで、施主のリスクを最小化しつつ、最大限の効果を引き出すお手伝いが可能です。


✅ ZEB導入をご検討中の方へ

工場・物流施設へのZEB導入、ZEB Ready認証取得をご希望の方は、お気軽にご相談ください。費用対効果や補助金情報を踏まえた最適な建設計画をご提案いたします。

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