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【見落とすと危険】地盤改良が必要な工場・倉庫建設の条件と想定コストとは?

  • 2025.11.28

 

「地盤調査の結果、地盤改良が必要と判定されました」
建設計画が順調に進んでいたのに、突然の追加コストやスケジュール変更に直面した経験はありませんか?

工場・倉庫などの重量物を支える建築では、建設前に“地盤の状況”を見極め、改良の必要性と規模を的確に把握することが極めて重要です。

このブログでは、地盤改良が必要になる代表的なケースと、工法ごとの特徴やコスト感について、専門家の視点から解説します。

 

なぜ地盤改良が必要なのか?

工場や倉庫は住宅に比べて建物重量が大きく、かつフォークリフトや重機による荷重、ラックによる点荷重なども加わります。
そのため、支持力の不足や不同沈下リスクがある地盤では、建物を安全に支えるために地盤改良が不可欠となります。

 

地盤改良が必要になる主なケース5つ

① 柔らかい地盤(N値が低い)

地盤調査の結果、N値(地盤の硬さを示す値)が5未満の場合、直接基礎では建物を支えられないため、改良が必要と判断されることが多いです。

② 埋立地・造成地

特に湾岸部や内陸の造成地では、埋戻し土が均質でない・圧密が不十分な場合があり、不同沈下のリスクが高くなります。

③ 地表面下に空洞や腐植土が存在する

ピット、旧井戸、地下構造物などが存在する場合や、有機質土(腐植土)が混在しているケースでは、長期的な沈下が懸念されるため、入念な改良が求められます。

④ 地耐力にばらつきがある敷地

敷地全体で地盤条件にムラがある場合、建物の片側だけが沈下する「不同沈下」の恐れがあるため、全面改良または杭基礎の選択が必要になることも。

⑤ 大型機械や高積載ラックを設置予定の工場・倉庫

床に集中荷重がかかるレイアウトの場合、建物全体の支持力だけでなく、局部的な沈下への対策として地盤補強が必要になります。

 

主な地盤改良工法とコスト感

工法 適用範囲 特徴 目安コスト(参考)
表層改良工法 軟弱層が2m未満 セメント系固化材を混合して固める 約8,000〜12,000円/㎡
柱状改良工法 軟弱層が2〜8m セメント系材料で地中に柱を造成 約15,000〜25,000円/本
鋼管杭工法 軟弱層が深い(8m以上) 鋼管を打設して支持層まで到達 約40,000〜70,000円/本
小口径鋼管杭(既製杭) 高支持力が必要な施設向け 工場・冷蔵倉庫などに採用多い 構造設計と連動して判断

※コストは地域や施工条件、支持層深度によって変動します。

 

計画段階で押さえるべきポイント

  • スケジュール:地盤改良は工程初期に含まれ、天候や仮設条件で遅れやすいため、余裕ある工程設定が必要。

  • コスト管理:本体工事とは別に見積分離されることが多く、事前に地盤調査費+改良費の予算取りが重要。

  • 法的対応:構造計算上、杭の設計や施工記録は確認申請や完了検査にも影響を与えるため、専門家の監修が不可欠。

 

地盤改良は、「見えないコスト」として予算外になりがちですが、建物の耐久性・安全性・将来的な維持費に直結する重要項目です。

工場・倉庫の建設においては、建物の仕様や設備条件、荷重計画に応じた地盤改良の検討が必須となります。
計画初期から構造設計者や地盤専門家と連携し、土地選定段階から地盤リスクを見極めておくことが、コストの最適化とトラブル回避の鍵です。

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