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【要注意】倉庫・工場建設前に確認すべき「地役権」とは?知らずに建てると危険な法的制限とは

倉庫や工場の建設を進めるうえで、設計や施工計画ばかりに目が向きがちですが、「土地の権利関係」を見落とすと、後々大きなトラブルにつながる可能性があります。
その中でも特に注意が必要なのが「地役権(ちえきけん)」です。
本記事では、工場・倉庫建設の現場で見落とされがちな“地役権”について、その概要から注意点、事前確認のポイントまで解説します。
■ 地役権とは何か?
地役権とは、他人の土地を特定の目的で使用する権利のことを指します。
たとえば以下のようなケースが該当します:
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配管や電線を通すために隣地の一部を使用している
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通路や搬入経路として、他人の敷地を通る必要がある
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地下にガス管が埋設されており、土地の一部に制限がかかっている
地役権は**「承役地」=制限される土地、「要役地」=利用する土地**の関係で成り立ちます。
工場や倉庫を新たに建てる場合、自社が「要役地」になるだけでなく、「承役地」である可能性も考慮しなければなりません。
■ 建築前に地役権を確認すべき理由
建設予定地に地役権が設定されていると、以下のような問題が発生するリスクがあります:
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地役権部分に建物や塀などを建てることができない
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地下の基礎工事中に既存の配管や埋設物に干渉する
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将来的に第三者から通行や使用に関して権利を主張される
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建物完成後に法的トラブルや賠償請求が発生する
特に倉庫や工場では、大型車両の出入りやユーティリティ設備の引き込みなどで土地の使い方が制限されると運用に大きく影響します。
■ 登記簿だけではわからない「未登記地役権」にも注意
地役権は通常、法務局の登記簿謄本で確認できますが、実は「登記されていない地役権(黙示的地役権)」も存在します。
たとえば:
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昔から慣習的に通路として使用されているが、登記されていない
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前所有者間で口約束で設定された通行権
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電柱や上下水管などのインフラ施設の存在
これらの未登記の地役権は、**「使用実績」や「周辺との関係性」**をもとに、法的に主張されることもあるため注意が必要です。
■ 地役権に関する事前確認のポイント
工場・倉庫建設を進める前に、以下のような確認をおすすめします:
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法務局での登記簿確認(甲区・乙区)
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インフラ会社(電力・水道・ガス)への配管経路確認
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過去の土地利用履歴や周辺関係者への聞き取り
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敷地図・境界図・公図の確認と境界立会いの実施
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必要に応じて行政との協議、土地家屋調査士・司法書士への相談
■ 設計前に「地役権リスク」を洗い出すことが建設成功の第一歩
工場・倉庫の建設は、完成後の利便性や効率性を重視して設計されますが、土地の権利関係を見落とすと、そもそも設計どおりに建てられないという事態に陥る可能性があります。
とくに「地役権」は、後から発覚すると設計変更や追加工事、近隣トラブルなど大きな損失に直結します。
発注者としては、価格や工期だけでなく、土地のリスク要因を早期に把握し、建設プロジェクト全体を俯瞰して判断する姿勢が求められます。





