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ゼネコン任せにしない建設管理|CM方式で失敗しない工場建設

  • 2025.5.16

「建設はゼネコンに任せておけば大丈夫」——本当にそうでしょうか?
近年、工場や倉庫などの建設において、ゼネコン任せの発注方式によるトラブルやコスト超過が問題になるケースが増えています。

本記事では、ゼネコン一任によるリスクと、発注者主導のコンストラクションマネジメント(CM)方式によってそれらの課題をどう回避できるのか、建設マネジメントのプロ視点でわかりやすく解説します。


✅ ゼネコン任せの発注方式が抱える3つのリスク

1. コストの透明性が低い

  • ゼネコン主導で設計・見積・施工まで一括対応されると、原価構成がブラックボックス化しやすい

  • 発注者は価格妥当性を検証できず、相見積もりも取りにくい構造

2. 設計意図が施工優先で変えられる

  • 設計変更や仕様簡略化がゼネコンの都合で進む可能性あり

  • 「納期」「コスト」優先で、将来の運用に不向きな施設になることも

3. 発注者の立場が弱くなりがち

  • 設計者と施工者が一体だと、発注者にとっての中立的な相談先がいない

  • 契約上、調整役が不在となり、トラブル時の判断基準が不明瞭


✅ その課題、CM方式なら解決できます

CM(コンストラクションマネジメント)方式とは、発注者側に立つ建設の専門家が、設計・施工全体を中立的にマネジメントする方式です。

比較項目 ゼネコン一括方式 CM方式
発注者の立場 受け身になりやすい 主導権を持てる
コスト管理 提示された見積を受け入れるのみ オープンブックで価格交渉・調整可
設計の自由度 施工側の都合に左右されやすい 発注者の意図を反映しやすい
トラブル対応 ゼネコン主導の判断 発注者目線でアドバイス・調整可

📌 CM方式では、設計事務所・ゼネコンとの契約関係を整理しながら、第三者として品質・コスト・スケジュールを横断的に管理します。


✅ 工場建設におけるCM方式の導入メリット

● コストの最適化(オープンブック方式)

  • 複数の施工業者から見積を取得し、根拠ある価格比較が可能

  • VE(バリュー・エンジニアリング)提案により、コストを下げつつ性能確保

● 設計品質の担保

  • 設計図と現場の整合性をCMがチェックし、設計ミス・曖昧な指示を未然に防止

  • 設計変更が発生しても、中立的にコスト・納期・品質への影響を調整

● 発注者の判断支援

  • 建設に不慣れな企業でも、技術的判断・契約管理をCMが代行・補完

  • 曖昧な要求も図面化・仕様化して確実に施工へつなげる


✅ CM方式導入の流れ(工場建設の場合)

  1. 企画・要件整理(発注者+CM)

  2. 設計事務所選定・設計開始

  3. CMによるコスト管理・法規確認・設計レビュー

  4. 施工会社選定(複数社見積)+契約補助

  5. 着工後の工程・品質・コスト監理

  6. 完成・引渡し・アフター管理支援

👉 CMは初期段階から関与することで、予算内で無理のない設計・発注戦略を構築できます。


✅ 「任せきり」から「見える・選べる」建設へ

建設プロジェクトは一度始まれば簡単には止められません。
だからこそ、最初の一歩を間違えないことが何より重要です。

  • ✅ コストと品質を見える化したい

  • ✅ ゼネコン一括発注に不安がある

  • ✅ 建設の専門家に自社目線で伴走してほしい

そんな発注者にこそ、コンストラクションマネジメント方式が最適です。

AGECでは、工場・倉庫建設における発注者の“社内建設部”として、計画初期から完成までトータルでCMサービスを提供しています。
「ゼネコン一任で不安がある」「予算管理に不安がある」と感じている方は、こちらからお気軽にご相談ください

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