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建築工事の工程表の種類と違いを徹底解説!
「工期が遅れるのは仕方ない…?」
いいえ、建築現場でのスムーズな工事進行は“工程表の管理”にかかっているといっても過言ではありません。
この記事では、建築工事で使用される工程表の基本的な種類とその違い、使い分け方を、工場・倉庫などの建設を検討する法人担当者向けにわかりやすくまとめました。
✅ そもそも「工程表」とは?
工程表とは、建設プロジェクトの各作業を「いつ・どの順番で・どれくらいの期間」実施するのかを可視化したスケジュール表です。
複数の業者や工程が関わる建築工事では、工程の重なり・順序ミス・手配忘れを防ぐために欠かせない資料です。
✅ 建築工事でよく使われる工程表の主な種類
建築工事では、目的や段階に応じて複数の工程表が使い分けられます。以下が代表的な4種類です。
◾️ 1. バーチャート工程表(横棒グラフ型)
特徴 | 内容 |
---|---|
形式 | 作業項目を縦軸、日付を横軸に取り、バーで期間を表現 |
メリット | 視覚的に分かりやすく、全体の流れを把握しやすい |
デメリット | 工程間の相互関係(依存関係)を表現しにくい |
👉 一般的な建築工程で最もよく使われ、現場掲示板や施主説明資料にも適している形式です。
◾️ 2. ネットワーク工程表(PERT・CPM)
特徴 | 内容 |
---|---|
形式 | 各作業を「ノード(丸)」や「矢印」でつなぎ、前後関係を明確に表示 |
メリット | どの工程が遅れると全体に影響するか=クリティカルパスが明確になる |
デメリット | 専門知識が必要で、現場職人には理解しづらいことも |
👉 大規模プロジェクトや厳密な納期管理を求められる工場建設などで重宝されます。
◾️ 3. マトリクス工程表(レベル別作業表)
特徴 | 内容 |
---|---|
形式 | 工区・作業分類を縦横に分けたマトリクス構成 |
メリット | 複数エリアの作業を並行して管理できる/階層構造に対応 |
デメリット | 全体の流れが掴みにくく、日付との連動が難しい場合も |
👉 工場や倉庫のように広い敷地を複数のゾーンに分けて進める建設に向いています。
◾️ 4. スキャフォールド工程表(足場進行表)
特徴 | 内容 |
---|---|
用途特化型 | 外壁工事や塗装工事など、足場に関わる作業に特化 |
表現 | 足場の設置・解体、各面の作業日程を縦横で表示 |
利点 | 外装・改修系工事における安全管理と工程管理を両立できる |
👉 改修工事や複数階にまたがる外部仕上げ工程で有効です。
✅ 工程表の種類別「使い分け方」早見表
工程表の種類 | 向いている工事 | 主な用途 | 関係者への説明適正 |
---|---|---|---|
バーチャート | 中小規模の一般建築 | 施主説明/現場管理 | ◎(わかりやすい) |
ネットワーク | 大規模・工程多めの工事 | 工期管理/リスク把握 | △(専門向け) |
マトリクス | 広い敷地・複数ゾーン工事 | 区画別管理/多職種並行 | ○ |
スキャフォールド | 改修・塗装・外装工事 | 足場安全/日程調整 | ○(特定職種向け) |
✅ 工程表を「生きたツール」にする3つのコツ
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着工前に全関係者で“読み合わせ”を行う
→ 各業者・元請・施主間で工程の認識を統一 -
現場での進捗と毎週比較して更新
→ 工程表は“作ったら終わり”ではなく、“調整し続ける管理ツール” -
Excelだけでなく、クラウド共有も視野に
→ 複数拠点で共有する場合は、Asana・Backlog・Smartsheetなどのツール活用も◎
✅ 「どの工程表を使うか」で、工期の管理精度が変わる
工程表の種類によって、管理できる精度・情報量・伝わりやすさが大きく変わります。
建築工事の規模や関係者の特性に合わせて、最適な工程表を選定し、常に“動かしながら管理”することが成功の鍵です。
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見せる相手によって、工程表の「形」を変える意識を持つ
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バーチャート+ネットワーク併用など、組み合わせもOK
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工程表は「遅延を責めるため」ではなく、「成功に導くため」のツール!