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建設労務費の実態

  • 2024.7.12

 

昨今、建設費が上昇しており下がることはあるのか、と聞かれることが多いです。 

私の予想では、今後下がることは無いかと考えています。 

その根拠はと言うと、実態を調査すれば一目瞭然なのです。 

建設費は、材料費、労務費、管理費、会社経費(利益含む)で構成されています。 

海外から多くの輸入に頼る建材に関しては、欧米のインフレや新興国の目覚ましい発展に伴い、上昇しているのはご存知だと思います。 

安価で製造できる国がなくなっている故、価格が落ち着くことがあっても、下がる要素が見つかりません。 

ですので、材料費に関しては今後下がらないと思われます。 

それでは、労務費はどうでしょう。 

 

労務費というのは、建設現場でいう職人と呼ばれる方々です。 

職人は、子供の頃から憧れ技術を磨いて職人になる人は少なく、仕事無くて仕方なく職に就いたとか、先輩に頼まれては職人になったとか、直ぐに高い給与を手に入れる職人を選んだ方が多いいと思います。 

それが最近、職人に以外の職種の人達の給与が上がり、職人の世界の給与停滞に魅力がなくなってきました。 

 

それを裏付けるのが、発注者に提出される元請建設会社からの見積もり単価と、職人に行き渡る単価の差が年々増加しているのです。 

昨年の国交省公共工事単価によると、例えば塗装工であれば日給29,000円をベースに見積もりをしなさいというガイドラインになっています。しかし、塗装工がもらっているアンケートでは日給15,400円しかもらっていないとのことです。 

これは、年収を週休1日で計算した結果なので、荒天での仕事の無い日も含めてですが、個々人に入ってくる給与としては、これくらいです。 

ということは、差額はどこへ消えていったのでしょうか。 

 

元請建設会社は、かなり薄利での業務を行なっています。 

スーパーゼネコンの清水建設は昨年度営業損出約250億円も出しています。 

少しの売り上げ回収の遅れや、取引先への支払い増加で直ぐに赤字になるのです。 

元請会社が利益を大きく取っているという疑惑もありますが、そうでもなさそうです。 

それでは、どこにその差額は消えていったのでしょうか。 

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