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物流倉庫の天井高とは?天井を高くするメリットがあるの?
■ 物流倉庫の天井高とは?内装制限についてもご説明
現在、物流倉庫の天井高は5.5m以上が一般的です。
天井の一番高い部分が6~7mあるという倉庫もあります。
これは、通常の建物の2倍程度の天井高となります。
天井が高いと倉庫の容量が大きくなるため、たくさんの荷物を保管できます。
大型の荷物や高さのある荷物を保管するのにも適しているでしょう。
■ 倉庫には「内装制限」もある
倉庫を建てる時には、万が一火災が発生しても被害が最小限に抑えられるよう、建築基準法によって構造や素材などに制限がかけられています。
倉庫の大きさなどによってさまざまな制限がありますが、天井高が関わる部分だと「内装制限」にご注目ください。
高さが1.2m以上の壁や天井への内装仕上げ材は、不燃材料または準不燃材料を使用することとされています。
火災の際に、内装材が燃え広がって被害を広げたり避難を妨げたりしないようにすること、有害物質を出したりしないようにすることが目的です。
ちなみに…
・不燃材料:コンクリート、ガラス、金属板、モルタル、厚さ12mm以上の石膏ボードなど
・準不燃材料:厚さ9mm以上の石膏ボードや厚さ15mm以上の木毛セメント板など
■ 物流倉庫の天井が高いメリット
天井の高い物流倉庫は、容積が大きいことから保管効率が高くなるのがメリットです。
天井高5.5m以上の倉庫は、一般的なラックを3段積み重ねて保管できます。
建築面積が同じでも、天井が高ければその分保管効率が良くなり、保管コストも圧縮できます。
また、クレーンやリフトなどの大型の機器を設置する場合にも、一定以上の天井高が必要です。
クレーンを導入できれば作業効率が上がりますし、人の手では扱えない重量物なども扱えるため、取扱商品の幅を広げることができます。
■ 物流倉庫の天井高が高いデメリット
一方で、天井が高く容積の大きな物流倉庫は空調効率が悪くなることに注意が必要です。
空調効率や換気効率が悪いと湿気がたまりやすくなることもあり、温度変化や湿気に弱い商品を扱っている場合はとくに温度・湿度管理に注意を払う必要があるでしょう。
また、天井が高いと天井に取り付ける照明が遠いので、大きな出力が必要、交換作業が大変という点もデメリットかもしれません。
このようなデメリットを解決するためには、倉庫の全ての天井を高くするのではなく、必要に応じて高い部分と低い部分をつくるといった方法もあります。
天井の高い物流倉庫はメリットが大きいですが、デメリットも踏まえた上で適切な天井高を決定すると良いでしょう。