AGECブログ
複数見積の取り方と比較ポイント
「同じ図面で見積を取ったのに、金額が倍以上違う…」
「どの業者を選べばいいのか判断がつかない…」
このようなお悩みは、工場・倉庫などの建設を初めて発注する企業担当者に非常に多いものです。
特に設計・施工分離発注を選択した場合、複数社からの見積取得と正しい比較判断が、建設コストの適正化と失敗回避に直結します。
本記事では、コンストラクションマネジメント(CM)視点から、複数見積の取り方と比較のポイント、注意点をわかりやすく解説します。
✅ 複数見積は「価格の安さ」より「内容の妥当性」が大切
まず覚えておきたいのは、最安値=最良とは限らないということ。
安さの裏には「抜け項目」や「仕様簡略化」「工期の無理な短縮」などのリスクが潜んでいる場合があります。
👉 “同一条件での正確な比較”ができるよう、準備と基準が重要です。
✅ 複数見積を取る前に準備すべき3つのこと
1. 実施設計図と仕様書を整える
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各社が同じ条件で見積できるよう、図面・仕上げ表・設備仕様書を統一
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曖昧な記述は「各社の解釈差」→ 金額差に直結
2. 共通見積条件書を作成する
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含まれる工種/含まれない工種(杭・造成・外構など)
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工期、仮設条件、夜間作業有無、電気・水道引込範囲など明記
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任意で「標準フォーマットの見積書」も渡すと◎
3. CMまたは建設経験者のチェック体制を用意する
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提出された見積を中立的な立場で精査する役割が必要
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専門家がいなければ、どれが妥当か見極めが難しい
✅ 比較の際に見るべき項目(価格以外も重要!)
比較項目 | チェックポイント |
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総工事費 | 税抜か税込か、設計との整合性があるか |
各工種の単価 | 坪単価に比べて異常に高い/安い項目は? |
含まれていない工事 | 地盤改良・杭・空調・LAN配線などは含まれているか? |
工期・着工可能時期 | 希望スケジュールとずれはないか? |
施工体制・実績 | 現場代理人の常駐有無、類似施設の施工経験 |
値引き交渉の余地 |
どこまでが限界か、交渉可能な根拠があるか |
📌 単に「見積書の数字」だけでなく、中身の妥当性や施工体制までチェックすることが重要です。
✅ よくある失敗パターンと対策
ケース | 失敗内容 | 防止策 |
---|---|---|
A社が最安で即決したら追加費用が続出 | 設計図に対する“抜け”が多かった | 共通仕様書で定義し、見積内容をCMが精査 |
B社の工期が希望と合わず納期遅延 | 価格重視で選びすぎた | 工期条件と稼働開始日から逆算して業者選定 |
C社に頼んだら現場対応が悪い | 単に安いだけで品質・体制を見ていなかった | 類似施設の実績と現場体制の確認を事前に実施 |
✅ CM(コンストラクションマネジメント)がいると見積比較はこう変わる
CMは発注者に代わって以下を担当します:
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見積条件の整理と提示資料の作成(仕様書・比較表)
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施工会社への説明会開催(ミス・誤解を防止)
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提出見積の分析・比較表作成(VE提案含む)
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価格交渉時のアドバイス・立ち会い
📌 第三者として中立の立場でアドバイスするため、発注者は安心して最適な判断を下すことが可能になります。
✅ 「比べ方」が正しければ、建設の成功率は大きく上がる
成功のカギ | 内容 |
---|---|
同条件で取る | 図面・仕様・工程・仮設条件を統一すること |
比較の観点を持つ | 金額だけでなく、内容・工期・体制を見る |
専門家の目を借りる | 見積の落とし穴を早期に発見できる |
選定後の交渉も重要 | 最終調整でコスト・仕様の最適化が可能 |
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