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高床式と低床式、物流倉庫に適した方式の選び方とは?

業態・立地・運用から考えるベストな倉庫仕様
物流倉庫の建設やリニューアルを検討する際、「高床式か低床式か?」という設計上の選択肢は避けて通れません。
建物の構造だけでなく、運用効率・安全性・車両との連携といった実務面に大きく影響するため、用途や立地に応じた適切な方式の選定が非常に重要です。
本記事では、高床式倉庫と低床式倉庫の違いと、それぞれのメリット・デメリット、そしてどのような場面でどちらを選ぶべきかを、倉庫建設の実務目線でわかりやすく解説します。
1. 高床式と低床式の違いとは?
| 項目 | 高床式倉庫 | 低床式倉庫 |
|---|---|---|
| 荷捌き高さ | 約1m〜1.2m(トラック床面に合わせる) | 地面と同じ高さ |
| 搬入出 | トラックバースに横付け → フォークリフトで出し入れ | 手押し台車・小型車で直接出し入れ |
| 建築構造 | 床下に空間あり(ピット構造、荷捌き用通路) | スラブ直置き |
| 主要用途 | 大型物流・センター倉庫向け | 小規模出荷、ピッキング拠点向け |
2. 高床式倉庫のメリット・向いている業態
**高床式(ハイフロア)**は、大型トラック(10t車など)との連携を前提とした設計です。
特に以下のようなケースでは高床式が有効です:
✅ メリット
-
トラックの荷台と床の高さが揃うためフォークリフト作業が効率的
-
雨天時でも荷物が濡れにくい
-
床下空間に配線・ダクトを通しやすい
✅ 向いている業態
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3PL事業者、EC物流センター、大型卸業者
-
パレット単位での大量搬入・搬出がある場合
-
荷捌きスペースと倉庫内部を分けたい場合
3. 低床式倉庫のメリット・向いている業態
**低床式(ローフロア)**は、敷地高低差が少ない土地や、小規模運用に適しています。
以下のようなケースでは低床式の方が合理的です:
✅ メリット
-
建設コストを約10〜20%抑えられる(ピット不要)
-
高齢者や女性作業員にも搬出入がしやすい
-
天井高を取りやすく、空間を最大限活用可能
✅ 向いている業態
-
地域密着型の小規模物流・食品業者
-
BtoC向けの個別ピッキング作業が多い業態
-
軽バン・自転車配送などの小型車との連携
4. 高床式 vs 低床式|選定時に押さえるポイント
倉庫建設計画において、どちらを選ぶかは以下の観点で判断するのが有効です:
| 判断基準 | ポイント例 |
|---|---|
| 搬入車両の種類 | 4t車〜10tが多い→高床式 / 軽バン中心→低床式 |
| 土地の造成条件 | 高低差がある敷地は高床式が作りやすい |
| 建設コスト | 初期投資を抑えたい→低床式を優先 |
| 荷物の特性 | 重量物・パレット輸送→高床式が有利 |
| 労働環境 | 作業者の安全・バリアフリー配慮→低床式が柔軟 |
✅ 運用に合わせた“床の高さ”が成功の鍵
「高床か低床か」は単なる構造の違いではなく、運用効率・安全性・コスト・今後の拡張性に大きく関わる重要な設計要素です。安易に「今までこうだったから」と決めるのではなく、現在と未来の運用に照らして最適な選択を行うことが求められます。
将来的に用途変更やリース化も視野に入れる場合、**フレキシブルな設計対応(スロープ・リフト併設など)**を取り入れることで、より柔軟な運用が可能となります。





