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【工場・倉庫計画の前に必読】建築基準法における“用途地域”ごとの制限整理

工場や倉庫の建設計画を進める際、最初に確認すべき項目の一つが「用途地域」です。用途地域は都市計画法に基づき指定されますが、建築できる建物の種類や規模の制限は建築基準法第48条に定められています。つまり、用途地域は都市計画制度であり、具体的な建築制限の根拠は建築基準法にあるという構造です。
本記事では、工場・倉庫計画に関係の深い用途地域の制限を、建築基準法第48条に基づき整理します。
■ 用途地域とは何か
用途地域とは、都市計画法に基づき、市街地の土地利用を計画的に誘導するために定められる区域区分です。
代表的な区分は以下の通りです。
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・住居系用途地域
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・商業系用途地域
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・工業系用途地域
それぞれの地域ごとに、建築可能な用途が建築基準法第48条で定められています。
■ 住居系用途地域における工場・倉庫の制限
第一種低層住居専用地域
原則として住宅を中心とした地域です。
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・大規模な工場や倉庫は建築不可
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・小規模な兼用住宅的用途のみ限定的に可能
物流倉庫や本格的な製造工場の立地は基本的に不可能です。
第一種・第二種中高層住居専用地域
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・小規模な倉庫は一定条件下で可能
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・原動機を使用する工場は厳しく制限
製造業用途はほぼ不適合と考えるべきです。
第一種・第二種住居地域
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・小規模倉庫は可能
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・環境負荷の小さい軽作業工場は一定条件下で可
ただし、大規模物流施設や騒音を伴う工場は原則不可。
■ 商業系用途地域
近隣商業地域
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・小規模倉庫は可能
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・一部の軽作業工場は条件付きで可能
ただし、延床規模や騒音・振動の制限あり。
商業地域
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・倉庫は原則可能
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・工場は原動機の規模等により制限あり
商業地域は比較的自由度が高いが、重工業系は適合しません。
■ 工業系用途地域(工場・倉庫の本命)
準工業地域
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・ほとんどの工場・倉庫が可能
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・住宅との混在が前提
物流施設の立地として多く選ばれます。
工業地域
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・住宅は建築不可
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・ほぼすべての工場・倉庫が可能
中規模以上の工場建設に適しています。
工業専用地域
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・住宅建築不可
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・ほぼ全ての工場用途が可能
大規模工場や危険物を扱う施設も立地可能(ただし消防法等は別途適用)。
■ 用途地域だけでは決まらない
重要なのは、用途地域だけで判断できない点です。
併せて確認すべき事項:
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・防火地域・準防火地域指定
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・建ぺい率・容積率
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・高度地区
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・地区計画
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・開発許可(都市計画法第29条)
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・危険物規制(消防法)
用途地域上「可能」であっても、他法令により実質的に制限されるケースは少なくありません。
■ 発注者が注意すべきポイント
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・土地取得前に用途地域を必ず確認
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・「倉庫可」と言われても、延床面積制限を確認
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・原動機出力や危険物取扱の有無で適合性が変わる
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・都市計画図と建築基準法第48条を必ず照合
工場・倉庫建設では、設計より前に「土地適合性」の検証が最重要です。
計画初期段階で用途地域と関連法規を整理することが、後戻りのない事業推進につながります。





