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木造工場・倉庫は本当に安い?鉄骨造とのコスト・性能比較

脱炭素社会への移行や建設費高騰を背景に、近年「木造による工場や倉庫建設」が再び注目を集めています。「木造=安い」「環境にやさしい」といったイメージはありますが、本当に鉄骨造よりコストパフォーマンスが高いのか? 本記事では、建設マネジメント(CM)会社の視点で、木造と鉄骨造の違いや注意点を整理し、最適な選択のヒントをお伝えします。
✅ 木造工場・倉庫の特徴とメリット
1. 建設コストが抑えられる可能性がある
木造は、構造体となる木材が比較的安価であることから、「坪単価が低くなる」とされがちです。とくに30〜300坪程度の中小規模倉庫や作業所において、基礎・柱・梁のコストを抑えやすいというメリットがあります。
ただし、木材価格は需給バランスや輸入状況により大きく変動するため、常に「安い」とは限らない点に注意が必要です。
2. 環境性能が高く、ZEB化との親和性も
木造はCO₂排出量が少なく、カーボンストック効果もあるため、ZEB化や環境認証(CASBEE・LEED)との相性が良好です。省エネ性能を高めやすく、補助金の加点要素となるケースもあります。
3. 内装仕上げの自由度と木の温かみ
工場や作業スペースであっても、木の風合いを生かしたデザインが可能です。とくに来客対応や地域交流のある施設では、内装の印象が企業ブランディングに貢献することも。
❗ 木造のデメリットと制約
1. 耐火性能・防火規制
準防火地域・防火地域では、木造建築に制限があり、耐火建築物の仕様を求められる場合があります。木造でも耐火等級を満たす設計は可能ですが、コストが逆に上がる可能性も。
2. スパンの限界と天井高
鉄骨造に比べて、柱間の距離(スパン)を広く取るのが難しいため、大空間が必要な製造工程や保管スペースには不向きなケースもあります。
3. 耐久性・メンテナンス
木造は湿気やシロアリ対策、外壁の防火仕様など、定期的な点検・補修が必要です。鉄骨造と比べると、長期的なメンテナンス費用が高くなる場合も。
✅ 鉄骨造工場・倉庫のメリット
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スパンが広く取れる:大型機械やフォークリフト運用に最適
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耐火・耐震性能が高い
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メンテナンスしやすく長寿命
また、二階建て以上の建築や大型物流倉庫では、ほぼ鉄骨造が主流。初期コストは高くなりがちですが、長期的にはトータルコストが安定する傾向があります。
📊 コスト比較の一例(概算)
| 構造形式 | 坪単価の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 木造(在来) | 約40〜60万円 | 小規模であれば有利、制限あり |
| 鉄骨造(S造) | 約60〜90万円 | 中〜大規模に適し、自由度が高い |
※地域、用途、仕様によって大きく変動します。個別の事業計画に基づく概算が必要です。
✅ CM方式での最適な構造選定
建設マネジメント(CM)方式では、施工会社の都合に左右されない中立的な立場でのコスト・性能分析が可能です。工場や倉庫の用途、地域の規制、運用計画に応じて、
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木造でのコストメリットを活かすパターン
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鉄骨造での長期安定運用を前提とした設計
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補助金対象となる構造の選定
といった戦略的な判断を行い、失敗のない施設建設をサポートします。





