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設備容量を見誤らない電源計画の考え方|工場建設の初期段階で見落としがちなポイントとは?

工場建設において「電源計画」は、多くの現場で後回しにされがちな要素です。しかし、設備容量の見誤りによって工場全体の操業計画に支障をきたすケースが後を絶ちません。とくに中小製造業やリニューアルを伴う増設工事では、「まさかこれが原因で追加コストが発生するとは思わなかった…」という事態も少なくありません。
本記事では、工場の建設や改修時における電源容量の正しい考え方と、建設マネジメント(CM)方式での対応策について詳しく解説します。
✅ 電源計画が後回しになる理由とは?
建物設計が先行し、設備機器の仕様が確定しないまま設計や施工が進むケースが多いためです。とくに製造機器の選定やレイアウト変更が途中で起きる場合、電源容量の増設が必要になることもあります。
さらに以下のような要因が、計画の遅れや容量不足の原因となります:
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電気設計者の関与が遅れる
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設備ベンダーとの情報共有不足
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将来的な生産ライン追加を想定していない
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既存工場での電源容量を過信している
✅ 設備容量の見誤りで起こる5つのリスク
| リスク | 説明 |
|---|---|
| ① 設備稼働中のブレーカー落ち | 容量不足により、機器が正常動作せず操業に支障 |
| ② 高圧受電が必要なのに準備不足 | 電力会社との協議・申請・設備設置に時間とコストがかかる |
| ③ 補助金条件の不適合 | エネルギー使用量要件を満たせず、補助金対象外になる |
| ④ 工期遅延 | 受電設備の納期遅延や申請待ちでスケジュール全体に影響 |
| ⑤ 配線のやり直しコスト | 後から配線を引き直すため、内装解体や配管変更が必要になることも |
✅ 設計初期段階でやるべき「電源チェックリスト」
以下は、建設初期段階で確認しておくべき電源関連の基本項目です:
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機械設備の一覧と消費電力(kW)の把握
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将来的な増設・24時間稼働の可能性
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設備レイアウトに基づく配線計画のたたき台
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既存電源容量と主幹ブレーカーの確認
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電力会社との事前相談(高圧・低圧の区分)
早期に設備ベンダーと設計者、電気工事業者、CM会社の三者が情報共有を行うことで、見落としや重複を防ぐことができます。
✅ 電源容量の判断基準(低圧 vs 高圧)
一般的に、以下のような基準で受電方式が変わります。
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低圧受電:50kW未満(100V/200V)
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高圧受電:50kW以上(6600V)
中小工場でも、モーター、冷却機器、エアコンプレッサー、昇降機などを複数設置する場合は高圧受電が必要になります。
高圧受電に切り替える際は、
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キュービクルの設置スペース
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電力会社との申請手続き(3〜6ヶ月)
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負荷契約やデマンド管理
などの追加対応が必要になるため、設計段階での十分な準備が求められます。
✅ CM方式での対応策とは?
コンストラクション・マネジメント(CM)方式では、設計・施工・電気工事・設備導入を一元的にマネジメントすることが可能です。
電源容量は、見えないけれど極めて重要な設計要素です。特に中小製造業では、「これぐらいで足りるだろう」と安易に判断することで、後からコスト増・工期遅延・設備不具合など、深刻なトラブルに発展するケースが後を絶ちません。
建設の初期段階で、設備導入計画とあわせて電源設計を検討し、CM会社のマネジメント支援を活用することが、失敗しない電源計画の第一歩となります。





