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設計・施工分離方式における基本設計と実施設計のリスクとは?

建設マネジメント会社の視点で考える、設計段階での落とし穴
工場・倉庫の建設において「設計・施工分離方式(デザインビルド分離方式)」を採用する企業が増えています。これは、設計事務所と施工会社を別々に契約することで、中立的な設計提案を受けつつ、工事コストの透明化を図る合理的な手法です。
しかし、設計と施工を分けることにより、基本設計や実施設計の段階で発生しやすいリスクも存在します。本記事では、建設マネジメント(CM)会社の視点から、よくあるリスクとその対策について詳しく解説します。
1. 基本設計の「曖昧さ」が引き起こす手戻りリスク
基本設計とは、建物の大まかな構造・レイアウト・設備構成を決定するフェーズです。この段階で「詳細設計は後で詰めればいい」と軽視すると、後の実施設計で多くの問題が表面化します。
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設備容量の想定が甘く、レイアウトに制限が出る
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将来拡張を考慮せずにスペースが足りなくなる
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複数の関係者(発注者、設計者、設備業者など)の認識齟齬
基本設計段階での目的の明確化と要件定義の徹底が非常に重要です。
2. 実施設計フェーズでの「整合性不足」
実施設計では、電気・機械・空調・構造などの詳細図面が作成されます。このフェーズでのリスクとして最も多いのが、各要素間の整合性不足です。
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設備が通るはずだったスペースに梁が通っている
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配線経路が確保できず、設計変更を余儀なくされる
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消防設備や建築基準法との不整合が発生する
設計の「調整」工程が抜けていたり、分野ごとの設計担当者同士の連携が不十分な場合に起こりやすく、これが工期遅延や追加コストの大きな要因となります。
3. 発注者の要望が設計に反映されにくい
設計・施工分離方式では、発注者が設計事務所に直接依頼を出すケースが多く見られますが、建設知識や技術的な視点が不足していると、正確な設計指示ができないという課題があります。
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実際の工事費が予想以上に膨らむ
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設備業者からの要望を設計に反映できない
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現場で「設計通りに施工できない」事態が発生
このような場合、建設マネジメント会社(CM)が中立的な立場で設計内容をチェック・調整することで、設計品質を担保しつつ、施工フェーズでのトラブルを防ぐことができます。
4. 設計変更のコスト・スケジュールへの影響
基本設計や実施設計での不備や見落としが後工程に持ち越されると、設計変更が頻発します。そして設計変更は、以下のような重大な影響を及ぼします。
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工事の遅延
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見積再作成によるコスト増加
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現場での作業中断・再施工
これらはすべて、設計段階での「見通しの甘さ」と「調整の不足」が根本原因です。
5. リスクを回避するためのCM会社の役割
設計・施工分離方式のメリットを最大限に活かしながらリスクを低減するには、CM会社によるマネジメントが非常に有効です。
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発注者と設計者・設備業者間の調整役
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各設計段階での技術的レビュー
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工事予算と設計の整合性チェック
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工事入札への橋渡し
これにより、設計段階でのブレを最小限に抑え、品質・工期・コストのバランスが取れた建設プロジェクトを実現できます。
設計・施工分離には「プロの管理」が必要不可欠
設計・施工分離方式は、理想的な建設計画を実現するための手段のひとつです。しかし、設計段階に潜むリスクを正しく理解し、第三者視点でのマネジメントを導入しない限り、「理想」は「現場の混乱」へと変わってしまいます。
建設マネジメント(CM)会社を活用することで、設計・施工分離方式のリスクを最小限に抑え、成功確率の高い建設プロジェクトの推進が可能となります。
✅ 工場・倉庫の設計・施工分離発注をご検討中の方は、ぜひ一度 AGECにご相談ください。





