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生コン価格について

  • 2023.11.9

 

【生コンクリートの値段が軒並み上昇】

生コンクリート(レディミクストコンクリート、以下生コン)の値段が全国的に上昇しています。建設では必ずと言っていいほど使用される生コンが、原料価格上昇及び運搬するミキサー車の人手不足(表向きは)が価格を押し上げている様です。なぜこれほど上がるのか検証してみます。

 

【生コンは建築に必要な建材です】

生コンは、水、セメント、骨材(砂と砂利)、混和剤等を混ぜて、時間が経てば強度を増して石のような硬いものになります。液体から固体になる性質を利用し、いろんな形にするものです。また、配合によって強度や固まる速度を変えてひび割れなどを防ぐもの等、多くのバリエーションで適材適所使用できる優れた建材です。そんな生コンが最近はかなり価格高騰しています。それは、長時間かけて運べないのが一つの原因と思われがちですが、地域によってどれだけ違うのか見てみます。

 

【地域によって違う生コン価格】

例えば、同じような運搬困難な地域と思われる、北海道の網走では1m3当たり25,950円(2023年10月 21-18-25)ですが、沖縄にでは18,000円で取引されています。

また、都市圏で言えば、東京は21,100円ですが、大阪では25,100円という金額で取引されています。これは、地域と需要と供給あるいは固定費の差ではないような気がします。他に原因はないのでしょうか。

 

【生コンと裏組織との関係】

生コン共有には、組合を通すということが一般的に行われています。鉄骨や鉄筋も商社を通すということで、コストコントロールが消費者ではないのです。生コンに関しては、多くの人や企業が関わるので、組合を作り安定的な人件費を供給することが大切になります。

一方鉄骨や鉄筋は数社のみが製造しているので、組合を作る必要がないのです。

一見、裏にボスがいてその人だけが利益を上げ総取りしているという記事も見受けられますが、組合は建材を安定供給する人々の売り上げを安定し、建築計画を安定的に供給する手段だと考えられます。これは日本の建築業界を守るべき手段とも言えます。

 

【生コン高騰でどう対処】

生コン価格が高騰状況の中、生コンの価格が高くて値切りをするのは、あまり得策ではありません。今の建材価格を調査した上で、適正価格で今建設できるかという判断が発注者に求められます。

 

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