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基本設計と実施設計、施工図の違いわかりますか?

  • 2023.12.4

建築の設計をお願いした時、基本設計はこの日まで、実施設計が始まるまでに決めてください、等よくわからない図面の種類を言われたことはないでしょうか。

打ち合わせをしている時に、それはなんですか?となかなか聞けないものです。

特に企業と企業の間では、知らないことをさらけ出すのが恥ずかしいということもあり、なかなか聞けないものです。

 

そこで、建築図面について少しお話しします。

 

▪️建築図面の種類

大きく分けて、企画図、基本図、実施図、施工図という大きな分類があります。

基本的には、だんだん縮尺が大きくなっていき、施工図になると1/1という図面も現れます。

それぞれの図面でどんな図面があるか見ていきます。

 

▪️企画図

企画図の定義は難しいのですが、単線で部屋割りを考えたり、正面から見た図面(立面)を考えたりし、構想を絵にする図です。

この段階では大雑把な法規と構造を専門家(建築士など)は頭の中で考えますが、とにかく平面を考えます。

概算予算を作成するときにも使用します。

 

▪️基本図

企画図もしくはスケッチを元に法規や構造体の構想を絵にしていきます。

この段階では、まだ構造設計は行われずどんな素材やサイズの柱や梁(横材)が選ばれるかは決めません。

基本図には、敷地に対する配置図、平面図、立面図、断面図、簡単な外壁や内装の仕様等があります。

確認申請用に、平面図を元に、法規で決められている道路幅から決められる建物高さ(道路斜線)、採光や換気、等計算式で根拠となるものを記入した図面があります。

縮尺は1/100が一般的に多いです。

▪️実施図

基本図を元に平面図や配置図の細かい内容や仕様、構造図や構造計算、電気機械設備図、を描いていきます。

ここまでくると、後戻りをすると計画が遅れるので基本図段階で後戻りがない打ち合わせが必要です。

図面を描く人もエンジニアリング要素が高くなります。

1/20-1/100程度の縮尺が多いです。

▪️施工図

確認申請が下り、施工が始まると図面を描く人から現場で実物を作る人にバトンタッチされます。

その時にさらに実施図を細かい内容で、現場の職人さんに説明するのが施工図になります。

ここまでくると、1/1-1/50に程度の非常に細かい図面になります。

特に、雨漏りのないような収まりはこの段階で徹底的に考察していきます。

また、天井や壁に配置される照明やスイッチに位置もこの段階で、寸法が入ってきます。

また、タイルが綺麗な寸法で入るコンクリート下地やコンクリート打ち放しのパネル割などは、早い段階から施工図を作成する必要があり、これが施工会社の品質と美意識の結果につながります。

 

いかがでしょうか。大きく分けて説明しましたが、一つ一つたくさんの図面があり、たくさんの人が長時間かけて図面を描きます。

現場で鉄骨が建てて建物が建ってきたなってなるのは、もうその建築は終盤を迎えているので、計画段階はたくさんの人がここまできたんだなと思っていただければ思います。

 

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