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建築物を活用する際に環境に優しく省エネルギー技術といえば(その6)?

  • 2023.7.28

 

以前、建物の運用段階では、エネマネ技術によって継続的なエネルギー消費量の削減を図ることができます。具体的に実現する上で特に重要となる技術としてはどのような技術なのかに関し、何回を分けてご紹介します。

前回高効率空調に関し、ご紹介しました。
今回は主にACTIVE(アクティブ技術)の熱源設備&熱搬送設備&空調機設備&の高効率化に関し、ご紹介します。

【熱源設備の高効率化】
中央熱源方式の場合はチリングユニットやターボ冷凍機・吸収式冷凍機等が、個別熱源方式の場合はパッケージエアコン、ビル用マルチエアコン等が熱源機として用いられます。こうした熱源機・システムの効率は、一般的にJIS基準に基づく「COP(Coefficient Of Performance:成績係数)」によって評価されますが、これらのCOPは近年著しく向上していることから、より高効率な熱源機を採用することで、エネルギー消費量を削減することができます。

また、熱源機はその定格能力に対する熱負荷の比率(部分負荷率)に応じて効率が変化し、一般的に部分負荷効率が小さくなるとに従って効率も低下します。一方、年間の大半の時間は部分負荷運転となることから、ピーク時間帯だけでなく、部分負荷の発生状況を考慮して熱源システムの機器構成や運転優先順位を選択することも重要となります。

【熱搬送設備の高効率化】
熱搬送に要するエネルギーは流量に比例し、揚程(ポンプが流体を揚げる高さ)の二乗に比例します。また、搬送できる熱量は温度差と流量に比例します。このため、熱搬送に必要なエネルギーを低減するためには下表のような対策が挙げられます。

★熱搬送設備の高効率化に関する対策例★

【空調機設備の高効率化】
空調機設備にかかるエネルギー消費量を削減するための対策としては、温度と湿度を別々に調整する潜熱・顕熱分離方式空調システムや、温度・湿度だけでなく、人が感じる快適性に着目した放射冷暖房空調システム等の新たな空調機システム等が挙げられます。

従来の一般的な空調機システムは、温度・湿度により、室内の温熱環境を調整しています。しかし、実際に人が感じる快適性は、温湿度だけでなく、対流、放射、着衣量、代謝量等にも影響されます。放射冷暖房システムは、「放射(物質を介さず温度の高いほうから低いほうへ熱が伝わる熱の移動)」の効果を利用して、建物利用者の体感を調整することで、室内設定温度を緩和し、省エネルギーを実現するシステムです。従来の空調機システムに比べて、気流のドラフトや温度ムラによる不快感が少なく、快適なシステムとなります。


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