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2024年4月からの建設業の働き方による影響について

  • 2024.3.29

 

いよいよ、この4月から建設業も他産業と同様に、労働時間制限が厳しくなりました。

おさらいしますと、

労働時間は、1日8時間以内、週40時間で毎週少なくとも休日は1日 が原則になります。

それ以上の労働時間については、36条協定を結び労働基準局に届け出ないといけません。

 

残業時間については、

【特別な事情(特別条項)がない場合】

  • 時間外労働が月45時間・年間360時間を超えることができない

【特別な事情(特別条項)がある場合】

  • 時間外労働時間が年720時間
  • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
  • 時間外労働と休日労働の合計の平均が、2〜6ヵ月平均80時間以内
  • 時間外労働が月45時間超えるのは年6回が限度。

※災害復興の特別処置は撤廃です。災害の場合は33条申請し許可が必要。

 

使用者は今まで以上に、週間、月間、数ヶ月に渡る時間の平均、年間、に分けて管理しなければなりません。

適用前では、残業代を払っておけばいくらでも働いてもらえる、という経営者の方もおられたと思いますが、規定以上に残業をしてもらうと、労働基準法違反として、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

罰金を30万円払えばいいわという、コロナ時の飲食店感覚でやってしまいますと、公共工事の指名停止等の制限もありますので、企業自体大打撃になります。

 

この働き方については、5年間の猶予があった建設業界ですが、準備ができていないのが現状のようで建設業界の先を見越していない現状に失敗があった可能性もあります。

 

今の建設生産システムでは、工期を延長すると解決できる問題もありますが、延期することだけで解決できない職種もあります。

その職種は、

  1. 他の法律での影響:解体工、コンクリート圧送、揚重機、鉄骨工
  2. 自然災害での影響:鳶工、土工
  3. 品質上長時間作業が必要:コンクリート圧送、左官、夜間作業が必要な業種

等々あると思います。

  1. では、道路交通法の問題もあり、早朝や夜中にしか通行してはならない大型車などが対象になります。
  2. では、自然災害での建設現場での対応は公共工事での意義は認められそうですが、民間企業での対策は労働基準局もすんなり33条の残業を認めるとは思えないです。
  3. では、品質確保するには、運搬時間と仕上げる時間を重要視するフレッシュコンクリートの対策を考えなければなりません。

 

これらを全て解決しなければ、本来なら基準法改定をしてはならないと感じています。

何よりも、労働者の方々の基本給与がそれほど上がらない中、残業が減少するということで、一人当たりの給与が減少し、益々建設業離れで人材不足が止まらなくなることだと思います。

 

ですので、工期延長、人材不足、建材の生産控え等の負のスパイラルが生まれ、今後建設費は以前よりも増して上昇しこうき延長が見込まれますので、発注者の方は早めの対策を。

 

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