AGECブログ
建設会社優位時代に安価で発注できるのか
建設費の予算を組む為によく坪単価を教えて欲しいと言われることが多いです。私が答えるときには、諸々条件を聞いた上で頭の中で係数をかけて、これくらいですかねと返答させていただきます。
その、諸々の中に多くの係数が掛合わさるので、完成時に総支払額はほぼ合致することが多いです。諸々の係数とは、立地、建物用途、規模、工期、グレード、等があります。この大枠条件内においても、細かな条件を考えながら係数を掛けていくことになります。
しかし、一番大きな係数は、発注者自体の係数です。 これは、0から50程度の係数をかけます。稀に0という発注者さんもいます。
その発注者さんに、はおそらく御社はどの業者さんも請け負ってもらえないですよという答えになります。
最近は建設会社優位の時代が続いており、請け負っていただくという姿勢で臨まないと建設会社からこちらを向いてくれません。 2025年開催予定の大阪万博においても、請け負う建設会社が不在で仕方なく随意契約をせざる得ない状況というのも、新聞等報道によりご存知だと思います。 短期間で完成させる建物については、公共工事の発注方法では到底間に合わないので、このような発注を選ばざるなくなったのだと思います。
では。建設会社が発注者さんを選ぶこの時代に、どうやって予定通りに完成できるのでしょうか?
それは、良い発注者かどうかです。 良い発注者とは何か。答えは古めかしい日本語ですが段取りの良い発注者です。 段取りとはあやふやな表現ですが、例えば発注者さんが建設会社への確実性を保証することです。 例えば、御社の言う通り見積価格通りにお支払いしますといっても、後から追加工事がたくさんでてきて、結局原価がかかり過ぎ、赤字になるリスクがあります。
また、予定工期を大幅に伸びることを平気に思う発注者さんも存在します。 よって、 建設会社はリスク回避を考えると計画と条件がしっかり固まっている発注者を選びたくなります。 発注業務が慣れている発注者さんであれば、原価ギリギリでも確実性があるので見積も安価で出てきます。 とにかくお金があるので、建物を建ててほしいというよりも、確実性のある建物をお願いしますという発注方法が安価で品質の良いものが手に入るのです。 発注者側に業務を慣れている専門家を置くことが、建設価格を下げることが可能になります。